2008年10月26日日曜日

森の幼稚園1 1日の流れ

保育時間の大半を外、特に森で過ごす「Skogsmulle (森のムッレ)」の幼稚園がある。
ムッレは森の妖精の名前。

まずは、グループごとに輪になって集まる。3歳になったばかりの子から5歳の子まで、一緒に。そう、スウェーデンの幼稚園は多年齢構成が一般的。10人程の子どもに先生2人。
先生から、今日のテーマについての話。この日のテーマは「葉っぱ」。みなそれぞれ、採集のための籠を持つ。
始まりの歌をうたって、さぁ、外に出発。

みな、これだけの完全装備
寒くなっても、雨が降って来ても大丈夫なように。

公園を通り、畑の中の畦道を通り、森に向かう。
子どもたちは思い思いに、色とりどりに紅葉した葉っぱや、実を拾う。
先生は、形や匂い肌触りを導いたり、その植物について話す。

途中、今年初の霜が降りている所では、霜や葉っぱを虫眼鏡で観察
どの子も、綺麗な霜のついた葉っぱや実を拾って来て、楽しそうに見ていた。

落ち葉を集めて、葉っぱのパーティ。

そして、森に着き、FIKA(お茶の時間)や昼食をとったり、木々に登って遊ぶ。


すぐそばの川でボートに乗ることも。この川には野生のビーバーがいて、泳ぐ姿や巣作りの様子が見れるそう。

2008年10月20日月曜日

Koloniträdgården5 手作りの小屋

コロニーの中の小屋は、所有者自身が建てる事も多い。
もちろん以前の所有者のものをそのまま使う事もあるだろうし、プロに建ててもらう事もあるが。
このために、どの小屋も同じものは2つとなく、趣向を凝らしてある。

今回、とても素敵なおじさんとおじさん自身が作ったコロニーに出会った。

まずは外観。色も形も、一般的なスウェーデンの家とは違い、独創的。
壁に付けられた木の模様が素敵。手前にある三角形の緑はホップ。電柱と配線に絡ませて作られている。


これが図面。おじさんはプロではない。けれども、こんなにしっかりした図面と素敵な出来上がり。

室内。ベッドとテーブル。ロフト。人通りのある道に接している事と風通りに配慮した高い位置に付けた窓(左側)と天窓(右側)。
そして暖炉。
小さなキッチンも。


家の前には、やっぱりデッキとテーブルに椅子。
そして忘れてはならない、BBQ場。


コロニーでの充実した暮らしが頭に浮かんでくる。

Koloniträdgården4 長い年月を経て

ストックホルムのコロニーはおよそ100年前に始まった。
初めは、貧しさから、じゃがいもなどの野菜を作るための場として作られた。
その後、食料供給が落ち着き、市民に解放され娯楽の場となっている。

100年の長い年月を経て、どのコロニー地区も木々が大きく育ち緑が深い。

そして、各コロニーの借用期間は25年程度。この借用期間の長さが、コロニーの質を上げている
ひとつひとつのコロニーも、丁寧に手を加えられ続けて来たのがよく分かる。

この女性は、母と2代に渡り、このコロニーを借りている。
植物が縦にも横にも隙間なく育ち、小屋も植物も人も一体化しているかのよう。

Koloniträdgården3 集う楽しさ

農の生活を楽しむコロニーが集まることで、より豊かな生活が生み出されている。

まずは、人付合い
地区内道を歩く人は、各コロニーの人たちに声をかけていく。コロニー間の柵を挟んでのおしゃべりもよく見かける。
私自身もコロニーにいる人たちに声をかけやすかったし、みな気さくに丁寧に答えてくれた。「誰々のコロニーが素敵だよ」と教えてくれることも。


もうひとつは、地区内の環境
各コロニーはみなそれぞれ個性的で工夫されていて見ていて飽きない。
また、各コロニーの緑が集まって、ひとつの大きな緑を作り出している。木々がそよぎ鳥が鳴き、ひと時ひと時の流れや季節感の中に浸り込んでしまう。

あるコロニー地区では、今から20年ほど前に、所有者たちが集まって各コロニーを一緒に作り上げた。
そのためか、地区内での結束が強く、自分たちのコロニー地区に誇りを持っているようだ。各コロニーを紹介する掲示板があったり、集まってパーティをするそう。

2008年10月12日日曜日

Koloniträdgården2 場所を活かす

コロニー地区はある土地を一帯的に使っているため、地区ごとに特有の環境が楽しめる。

ストックホルムはフィヨルドの特徴がよく見られ、地表は岩盤のむき出しが多く、小さな起伏が多い。また、湾が入り組み小さな群島から成るため水辺が近い。こういった環境がコロニーをより良くしている。

あるコロニー地区は、丘状になっていて、地区内にも小さな起伏が多い。
地区内の道も坂や階段があり歩いていて楽しい。コロニーの奥行きある景観も面白い。

岩場を活かして、アート風コロニーにしている人も。


このコロニー地区は高層マンションやビルに囲まれた谷地にあり、都会のオアシス的だった。通り道として好んで使っている人も多いように感じた。


ここは川に面した斜面にあり、眺めが素晴らしい。この眺めを前に農を楽しむ気分を想うとため息が出そうだ。

2008年10月9日木曜日

Koloniträdgården1

スウェーデンの市民農園は、Koloniträdgården(koloni: summer camp, träd: tree, gården: garden)という。
略してコロニー

ストックホルムには、コロニー地区が街に点在する。
ひとつの地区の大きさは100m×50m程。
地区内は分割され、市民に貸し出される。


各コロニーは小屋を持っている。これが、日本との違いを考える鍵。
この小屋は、基本的な生活ができるだけの「小さな家」といった感じで、キッチン、テーブルと椅子、人によってはベット、が置かれている。この小さな家の周りに、木々や草花、野菜が育てられている。


家や庭を手入れをし、収穫物を食べ、お茶をし、余暇を過ごす。
「農の生活」そのものを楽しんでいる。
日本の市民農園では、野菜の世話と収穫だけだろう。

そう、このコロニー地区のそばにはマンションが建っていて、コロニー所有者多くがそのマンションに住んでいる。
平日や冬の間はマンションで暮らし、週末なるとコロニーで過ごす。

都会の便利さと農の楽しさと。

2008年10月4日土曜日

Vindskydd

これは、Vindskydd(Wind Shelter)。
湖畔の公園で出会った。そういえば、以前スキー場でも同じようなものを見た。


スウェーデンでは森が生活のすぐ近くにあり、昔から森の中や湖畔でたき火をすることが多かったのだろう。そういう時に、Vindskyddが昔から用いられて来たよう。

三角錐の形は木を組んで作る場合の基本形なのだろう。木と布で作る最も簡単なVindskyddはこれ。

紅葉はピーク

9月終わり、ウメオの紅葉はまさにピーク。
シラカバ、西洋カエデ、ドロノキ、ナナカマド...。木々のダイナミックな変化に、景色が大きく変わる。



湖畔はため息が出てしまうほど。傍にはベンチ。きっと、奥に見える家の住人がFIKA(喫茶)をするのだろう。
こんな素晴らしい景色の中で暮らしていると、どんな感覚を持ってしまうのだろう。


シラカバの幹が、色とりどりの紅葉の中で、白く輝く。


おまけ。