2009年6月30日火曜日

湖水浴

今年の6月は寒かった。
気温も上がらず、晴天も少なかった。

先週から、やっと夏らしい日々。
日中の気温は30度弱。

やった!泳げる。

スウェーデンの湖や川の水は茶色い。
森から有機物が、分解されずに流れてくるから。
いつかどこかで、スウェーデンの湖水浴を想う時、
この茶色も一緒に思い出せるといいな。

浜辺は広すぎず、人も多すぎず、心地良い。


砂浜にまでベビーカーで乗り入れる。
スウェーデンらしい。
1)雪の中も進める強靭ベビーカー。
2)移動時、子どもをやたらとベビーカーに乗せる風習。
 (街中で歩いている幼児は少ない。)


面白いのが。
砂浜に続いて、芝生の広場が作られている。
スウェーデン人は、芝生でピクニックが大好きなので。
ここは砂浜よりも人気。

湖畔のコンサート

今年も、湖畔の教会で、コンサートが始まった。
夏の間だけ、毎週月曜の夜に行われる。

今日はジャズの演奏。
ベンチにかけて、芝生にピクニックシートを敷いて、
木にもたれて、岩の上に座って、
湖上デッキの上から、湖を見ながら…
音楽を聴く。

夕方の光を受け、キラキラ キラキラ。

遠くから見ると、こんな感じ。
大きな湖の、ほんの小さな一角。

2009年6月26日金曜日

海へ

休日、車を借りて、海を目指した。
 

村々を通り抜け、川に出くわした。
静かで美しい。
近所の人が散歩したり、船に乗っている。



さらに森の中の一本道を行く。
木々の向こうに、道と平行して川が見える。
川添いには家々。きっとサマーハウスだろう。
どの家も小さく、川に向き合って建っている。
庭は広く、子どもや日曜大工をする夫婦の姿。




海に到着。



寒い。

と思っていたら、中学生くらいの子たちが来て水着になった。
でも、なかなか水に入らない。
やっぱり、寒いよな…。

バッシャーン!!
ひとりが飛び込んだ。
その子の親も笑って(呆れて?)いる。
その後何度も飛び込み。
やるなぁ。




しばらく前から、小さな小屋の前に15人程が並んでいた。
何だろう?と様子を見ていたら。

漁師がやってきて、鮭を売り出した。
新鮮でおいしいらしい。
しかも60kr(約700円)/kgという安さ。
一枚目の写真の辺りで会った人も来た。結構離れているのに。
この辺りで人気の魚屋なんだろうな。

我が家も友人宅と分けて、6kgの鮭を買いました。

2009年6月20日土曜日

高齢者施設7 問題点

今回の施設訪問では、良い点ばかりに目が行き、問題点に気付きにくかった。
当然の事だけど、職員の方の説明も良い内容が中心。

けれど、経済性や介護の効率化の点から、
施設数や職員数が減らされ、介護内容も低下してきている。

スウェーデンの高齢者福祉の実情を書かれているホームページがあるので、
ぜひ、見て下さい。
問題点も取りあげられています。
http://fukushi-sweden.net/welfare/index.html

夏至祭

6月19日、夏至の前夜祭(Midsommarsafton)があった。
私の最寄りの祭り場は、野外博物館。

Majstång(メイポール)手をつないでぐるぐる回って歌う。
真ん中にいるお姉さんが、歌と踊りの指揮をとっていた。
歌詞に合わせたちょっとした動きを加えながら、ひたすら回る。
伝統的な夏至のお祭りでも、こんなもの??
数周回ると飽きてくる。

もう少し、民族的な踊りだったら良いのに。
というのも、前日Folkdansを見たから。
てっきり、この踊りを出来るものを思っていた。
このFolkdansは、日本の運動会でするフォークダンスを、もっと軽やかに複雑にした感じ。
ほのぼのと可愛らしい。
見ていて、とても幸せな気分になった。
夏至祭をもっと伝統的に行う地域では、こうやって踊るのかもしれない。


馬車は子どもに人気。(有料)


その他にする事は、お得意、ピクニック。
日長を祝う日だから、ピクニックが一番良い祝い方なのかもしれない。
雑草ももしゃもしゃ生えている中にシートを敷き、草花も近い。
家族が集う日でもあるようで、おじいさんおばあさんを含め、大家族がいっぱい。
本当にのどか。

ちなみに、日陰はほどんど空いている。
日陰は寒い上に、スウェーデン人は日光浴が大好きなので。

そして、この日を境に、夏休みに入る人が多い。

2009年6月11日木曜日

高齢者施設6 他世代との関わり

施設内を歩いていて、サービスの良さや建物の作りの良さに関係なく、感じた事。

「お年寄りだけだと、寂しい感じがするな。」


私が日本に帰省した時の体験。
祖母達は曾孫と一緒にいると、とても嬉しそうで元気だった。
家中に活気があった。

ひとりの祖母は認知症だ。
この祖母については、最近状態があまり良くない(特に精神的に)と親から聞いていた。
でも、曾孫と暮らしている間、とてもしっかりしていたし、たくさん話し笑っていた。

子どもは、その存在自体が可愛らしく活気がある。
元気の素だと思った。


子ども以外でも、色々な世代と交わる事は大きな意味を持つだろう。
高齢者にとっても他の世代にとっても、お互いに。

それならボランティアを、となりそうだけど。
ではなく。
もっと色んな世代の人たちと、何気なしに交流できる環境があったら良いな。
特に、地域の人とは、関係を深めていきやすいだろう。

例えば、庭を開放して、訪れたくなるような場所にしたり。
レストランを開放して、コンサートが出来たり人々が集えるような場所にしたり。
入居者が手作りパンを売ったり。
もちろん、ただ開放してたくさん人が集まれば良いのではなく、
リラックスでき人と人が落ち着いて向き合えるような環境作りが必要だろう。

日本にも、こういった地域と交流する場所を持つ高齢者施設が増えてきている。
もっともっと増えて欲しい。

いつまでも、人と関わり、喜びを見出しながら暮らしていけるように。

祖母と曾孫。
たくさんの笑顔を見た。

高齢者施設5 建物について

建物について。
施設Aは2003年建設、施設Bは1953年建設。
施設B建設の時代には、治療環境を整える事が最前線だったのだろうか。近年の施設Aの方が、人の暮らす場、集う場、憩う場としての配慮が見られた。

床や壁、天井の素材、色で随分受ける印象が違う。心地良かったり、冷たかったり。
壁にかけられている絵でさえ、その内容次第で、とりとめなく見過ごしてしまうものもあるし、心が惹かれたり、記憶が蘇ったり、話に花が咲くものがあるだろう。


こんな話を聞いた。
「あるフィンランド人が認知症が進むにつれ、スウェーデン語が分からなくなり、フィンランド語のみになった。」
認知症になった時、その人の人生の中で日々行って来た事その人の歴史を大切にし、生活の中に活かして行くことは重要なのではないだろうか。
きっと、建物のあり方にも活かせるだろう。


そして、
年月を経ても普遍の、人にとって大切な事を掴んだ建物である事の重要性を実感した。

2009年6月8日月曜日

高齢者施設4 もう一つの施設

施設Bについて。
この施設は、
1)一日中介護を必要とする人のための個室と、
2)基本的に自分で生活し何かあった時には職員を呼べるアパートメントタイプのサービスハウス
から成る。これに加え、
3)在宅の高齢者が、昼中通い治療やリハビリテーションを受けるデイケア
4)家族と暮らす認知症の人の一時滞在(家族の負担軽減のため)
がある。

治療やリハビリのための部屋として、5−7人用の小さな部屋と10−15人が集える大きな部屋、リハビリやトレーニング器具の置いてある部屋がある。
小さな部屋には機織り機や画材が置いてあった。大きな部屋ではキッチンが付いており、パンやクッキー作りもする。

下の写真は、個室の例。
キッチン付。
(実際に使用されている部屋は見れず、見学用の部屋を見せてもらった。)


ボランティアが訪れ、本の読み語りやコンサートを催したり、パン作りや絵画を一緒にする。神父による礼拝も行われる。
外出や買い物にもボランティアが付き添う。入居者の一部は外出自由。

読み語りやコンサート、礼拝はこの広間で。
もう少しリラックスできる部屋の作りだといいな。



食事について。
個室で暮らしている人は、朝食のみ、自分で作れる人は作る。その他は施設内レストランで。
サービスハウスで暮らす人は、自分で作れる人は作り、家族と一緒に食べることもある。作らない場合はレストランへ。
レストランでの食事は予約制。
近所に住む高齢者もここに来て食べて良いらしい。「高齢者」限定なのが気になるが、落ち着いた環境であるためには仕方ないのか?
でも、レストランは地域の人も足を運びやすい場所。地域交流の場として活かせないかな。
このレストランは学食のような雰囲気。ゆったりと食べれ、談笑したくなるような場所であって欲しい。


デッキは欠かせない。
夏になると一日中出ている人も。
庭は広くて良かったが、数本の木しかないのが残念だった。
草花や菜園があれば、もっと楽しい場所になりそうだ。地域の子どもも遊びに来たくなるような。
写真の奥に見えるのが、サービスハウス。

高齢者施設3 話し合いの部屋、職員の部屋

施設入居の際、半年に1度の入居者と家族、職員との話し合いを行う部屋。
内装もしっかり作られている。



職員の休憩部屋。
大きな窓、ゆったりとしたソファ、マッサージチェア、キッチン、雑誌棚。
もちろん、パソコンや掲示板、入居者からのアラームも。
居心地が良さそう。

介護の仕事はやりがいがあっても、とても疲れる仕事だろう。
そういう現場には、これくらいの休憩部屋が必要なんだなぁ。

職員の仮眠部屋もある。
この部屋も、小さいけれど落ち着く内装だった。

高齢者施設2 高齢者施設のあり方

スウェーデンの高齢者施設の基本的なあり方は。

1)施設入居
施設は市の経営する公営のものと民間企業によるものがある。
市のものと民間企業のものでは、サービス内容も費用もほぼ同じ
入居料を払うことが出来ない人には、市が補助する。
介護を必要とする高齢者は、訪問看護やヘルパーを利用しながら在宅から始め、デイサービスや施設への一時宿泊、さらに介護度が上がると施設に入居する。施設入居については、空きが出るまで待たねばならない

2)個人の意思
入居者個人の意思を尊重する。
食事の好みも可能な限り尊重。お酒か薬を選ばないといけない時は、本人に問う。
外出や美容師を呼ぶ事もできる。入居料以外の支出は各自払う。
金銭管理も基本的に各自。できない場合は、友人や親族に(いなければ、市が管理者を探す)。

3)その人らしく暮らす
入居者1人ずつに専属職員が付き、入居者それぞれに合ったスケジュールを立てていく。
施設Aでは、入居者と専属職員が週に1回話し合い、1週間のスケジュールを決める。1日のスケジュールの中には趣味の時間も取る。外出や読書、マネキュアを塗るのに専属職員が付き合う。


施設Aの玄関に、このような言葉が。
「歳をとることは山に登るようなもの。少し息切れはするけれど、見晴らしはもっと良くなる。」

高齢者施設1 個室と共有の場所

高齢者施設の見学に行ってきた。

訪問したのは、
施設A:民間企業の経営する施設で、介護度が高く一日中介護を必要とする人たちの施設
施設B:市営の施設で、一日中介護を必要とする人のための建物と、基本的には自分で生活し何かあった時に職員を呼べるアパートメントタイプの建物が併設された施設。


まずは施設Aから。

入居者は計48人。8〜15人の4グループに分かれて暮らしている。
今回は8人のグループを見学。
入居者8人に対し職員2人。夜間・週末は2〜3人。

部屋は完全個室。
ベッド以外の家具は基本的に持ち込み。シーツから照明や棚など大型家具まで持ち込める。
愛着のある家具、思い出の写真に囲まれ、その人らしく暮らしているのが伝わってきた。


各部屋には、トイレとシャワーが備わっている。


この部屋では音楽がかけてあった。



リビングは共用で、キッチンもついている。
食事は、基本的にグループごとにリビングでする。嫌なら個室で食べる事も可能。
料理は、ほぼ出来上がったものが配達され、キッチンで少し調理して完成させる。
この時の匂いが、食欲増加に効くらしい。
クッキーやパン作りも入居者とする。
(残念ながら、食事中だったため写真は撮れませんでした。)

ベランダはスウェーデンの暮らしに欠かせない。
夏にはここで多くの時間を過ごすのだろう。
ベランダからは、庭が見下ろせる。
唯一の庭としては少し物足りないように感じたが、菜園があり花も植えられ憩いの場所だった。


廊下には絵が飾ってあり、床・壁・天井も雰囲気が良い。
各入居者の部屋のドアには、入居者の表札。