2009年11月30日月曜日

リサイクル・ゴミ 2

今月から私の住宅地でも、食物ゴミがリサイクルに加わった。

スウェーデン政府は、2010年までに全食物ゴミの35%をリサイクルすることに決めた。全食物ゴミというのは、もちろん、店舗や食堂、レストランも含む。

ウメオでは、2007年から毎年数地区ずつ、食物ゴミのリサイクルを進めてきた。


各家庭では、食物ゴミ用紙袋を専用プラスチック容器に設置する。

食物ゴミリサイクル開始に当たり、住宅管理会社職員が各家庭を回り
紙袋と容器、説明書類を配布し、質問はないか尋ねていった。

ただ、この食物ゴミ用紙袋、畳まれた形状から立体にする時、
折り目も何もなく、扱いづらい。
日本だったら、折り目を付けるだろうな。



Miljöhus内、食物ゴミ入れ。
側面には、バイオガス生成を促す通気孔。


回収された食物ゴミは、ウメオから100km程北のSkellefteå自治体にある
バイオガス施設に運ばれる。
この時使用するトラックは、Skellefteåの可燃性家庭ゴミを乗せて、ウメオに帰ってくる。
つまり、無駄のない輸送

食物ゴミから作られたバイオガスは、
ガソリンやディーゼルに代わる、車両燃料として使われる。
また、バイオガス生成後の残留物は、森や畑の肥料として使われる。


詳しくは、リサイクル企業UMEVAのHPを。
http://www.umeva.se/avfallatervinning/matavfall.4.12309acd112d7f477ef80001877.html

リサイクル・ゴミ 1

この秋、我が家の近くに、リサイクルゴミ捨て場が出来た。
その名は、Miljöhus(Environment house)。
それ以前は、リサイクルゴミと家庭ゴミ捨て場が別れてあったが、今回統一された。

背後より。

Miljöhusの屋根は草屋根
使われている草は、芝や雑草かと思いきや、
実は多肉植物
乾燥に強いからだろうか?

建物内。
ゴミ入れがずらりと並ぶ。

分別されるゴミは、
新聞、雑紙、金属、有色ガラス、無色ガラス、プラスチック、電球、電池、
その他家庭ゴミ。
各ゴミ入れに、入れて良いゴミの表示がしてある。

実際には、間違った分別も多い。
金属入れに電球、新聞入れにソファが入っていたり…。
表示内容や表示の設置場所、ゴミ入れの並び方に、分かり難さを感じる。
ゴミ捨てに費やす時間は、わずか数分。
一目で判断できる環境が必要だと思う。

2009年11月23日月曜日

秋の灯り祭 2

中心街の14箇所に、様々な灯りが設置された。
今年のテーマは「Tillsammans!(together)」。
「少ない資源で(つまりリサイクルや省エネを考慮して)、共に創ろう」というもの。

いくつかを見て回ったが…。

1)プラスチックゴミで作られた照明。
ピンクや青、緑に色が変化。
暗闇の中遠くから見ると綺麗。近づくと「ゴミだったのかぁ!」。
ただ、眺めることしか出来ず物足りなかった。

2)氷と照明のオブジェ。これも、色が変化。
この時期の、水が氷に変わる様を表現したらしい。
意味合いの分かりにくいオブジェだったが、
子どもたちは触ったり色の変化を見たりと楽しんでいた。

3)室内照明が、街という美しい部屋を照らす、というコンセプト。
窓越しに見える家々の美しい照明…、には程遠かった。


灯り上手のスウェーデン。
なのに、今回設置された照明の多くが、イマイチ。
日常の中の灯りの方がずっと良い。
テーマの「Tillsammans!」も、子どもたちのキャンドル以外は実感できず。


冬、15時にもなれば暗くなる北スウェーデン。
灯りは日常の中で、「必要」の域を越え、
豊かな生活空間」を生み出している。
各家庭でも、様々に工夫されている。


Umeå Höstljus 。
どこの地域でも出来そうな灯りの祭りではなく、
この土地ならではの、日常の灯りを起点とした演出をして欲しい。
綺麗で、いつでも使え、そしてずっと続けていけるような灯り。
そして、もっと多くの市民が関れる「Tillsammans!」。

この点で、子どもたちのキャンドルの演出は素敵だった。

今後、こういった演出が増えていく事を期待して…

秋の灯り祭 1

ウメオでは今週、Höst ljus(Autumn light) festivalが開催中。
2014年の欧州文化首都に向けての行事のひとつで、
今年で4度目。

中心街の公園いっぱいに並べられたキャンドルに、火が灯され、
祭りが始まった。

お椀状の土地に波紋のように広がる、色とりどりの灯り。

このキャンドルは、ウメオの子どもたちが学校や幼稚園で作ったもの。
瓶に薄葉紙やラメ、ビーズが貼られている。
子どもたちがたくさん見に来ていて、自分の作ったキャンドルを探していた。

2009年11月6日金曜日

ウメオの熱システム 2 熱供給

「スウェーデンの暖房は温水パイプによる輻射暖房が中心」と以前に書いた。
この温水は、熱供給施設(Värmeverk)で作られ、各建物に運ばれる。
地域暖房(Fjärrvärm)という方式。
温水パイプは地下を走り、地域暖房網(Fjärrvärmnät)として市内中に張り巡らされている。

図は、ウメオ市内の地域暖房網。
緑星印が熱供給施設、ピンク線が地域暖房網、濃黄色が住宅地。

ウメオでは、温水は、主に2カ所の施設で作られている。(星印・大)
Dåva施設(図左上)では、可燃ゴミ焼却時に出る熱を利用し、水を温める。
Ålidhem施設(図右下)では、森林屑を燃やし、水を温める。
可燃ゴミは、ウメオ中から集められる。加えて、周辺地域からも持ち込まれる。(この場合、ゴミを渡す側が熱供給会社に支払う。

2大施設の他に、各住宅地区には、小さな熱供給施設がある。(星印・小)
これらの施設は、Dåva施設とÅlidhem施設から熱が十分に届けられない場合(特に寒い時や破損時など)に使用される。
これらの施設の多くは、オイルを用いて熱を作っている。
(図中、Olja:オイル、Biopulver:森林屑、El:電力)


温水パイプが密に走る地区と、少ない地区があるのは、
地区の建物構成が、一戸建てかアパートメントかによる。
戸建てが並ぶ地区では通りごとに温水パイプが引かれ、アパートメント地区ではパイプを共有しやすいため数が少ない。


もちろん、温水パイプを引いていない家も存在する。
特に、ウメオ郊外では地域暖房網はない。
こうした家では、加熱器や給湯タンク(例えば、木材を使った暖房器具)を使っている。
ラジエーター(放熱器)を用いて電力で熱を得る場合もあるが、費用がとてもかさむため、あまり行われていないようだ。


さらに。
暖房のための水には、生活用水として使われた後の水が再利用されている。

ウメオの熱システム 1 熱源

ウメオにおける2008年現在の熱源は、

1,ゴミ焼却(44%)
2,バイオ(35%):森林屑(木屑・樹皮・松ぼっくり・泥炭など)を燃やす
3,廃熱(14%):他産業から出た熱
4,オイル(5%)
5,電気(2%)
 
となっている。

日本では熱源の多くが電力とオイルなのに、ウメオではたったの7%。



2010年には、
熱のほとんどをバイオとゴミ焼却でまかなう予定だ。


(情報源:UMEÅ ENERGI http://www.umeaenergi.se/)

2009年11月1日日曜日

お墓参り

10/31〜11/6の土曜日、諸聖人の日(Allhelgonadagen)に、
スウェーデンの人々は、お墓にキャンドルを供えにいく

かつてはクリスマスの時期に、亡くなった子どものお墓にキャンドルや小さなクリスマスツリーを置いていた。
20世紀に入り、諸聖人の日に、故人のお墓にキャンドルを供えるようになった。(ストックホルムの裕福な人々の間で始まり、一般に広まったのは第二次世界大戦後)

お墓の前には40×50㎠程の小さな庭があり、
灌木や地被類、松ぼっくり、綺麗な石、などで飾ってある。
この時期には、Ljungという、寒い時期でも濃ピンクの花を咲かす低木(英名Heather)が好まれているようだ。
小さな庭がキャンドルに照らされ、より一層美しい。

花や手紙、リースが供えてあるお墓もあった。



ウメオには2カ所のに墓地があり、今回訪れたのはその一カ所。
12haの敷地に連なる灯りは、幻想的で美しかった。
墓地を見渡せる高台もあり、幾人もの人が立ち止まり無数の灯りを眺めていた。

夕暮れ

夏時間(Sommartid)が一週間前に終わり、
夕暮れが一気に早くなったように感じる。
16時にもなると、周りが見えにくい。
写真は16:15のもの。