2009年12月26日土曜日

クリスマスツリーの灯り

このクリップは何でしょう?








かつては、Julgran(クリスマスツリー)飾りに、ろうそくが使われていた。
当然ヨーロッパ中でそうだったのだろうが、
電灯飾りがある時代からクリスマス文化を得た日本人にとっては、物珍しい。
現在では、ろうそくの飾りはほとんど使われておらず、
絵やろうそく型電灯から想像するくらい。


知人からJulgran用ろうそく立てを借り、私も設置してみた。
クリップと枝の角度の問題で、ろうそくが垂直に立ちにくい。
燃え移らないか、倒れないかとハラハラ。
木全体にろうそくが飾られた様は美しかっただろうなぁ、と思うと同時に、
ものすごく危なかっただろうな、と思った。
「ずっと見張っていないといけなかった」そうだ。

2009年12月16日水曜日

聖ルシア祭

12月13日、聖ルシア祭が行われた。

ルシアとは、イタリア生まれの聖女ルチアのこと。
日本でも知られる歌「サンタルチア」のルチア。
ルチアは貧しい人々に財産を分け与えていた。
その後クリスチャンである事を理由に、ローマ政府によって処刑される。
処刑時に火あぶりを受けたが、ルチアの身体は一切燃えなかった。
最終的に首を斬られ、命を絶った。
後世にルチアは、光の聖人、農耕の守護神として親しまれるようになる。


この日は、旧暦の冬至で、
最も長い夜を乗り切るとともに、これから日が長くなっていくことを祝う
冬至を祝う古来からの信仰に、聖人ルシアが取り入れられた。


現在では、教会や学校でルシア祭が行われる。
写真は、ある地域の教会。
天井に吊るされた、環状のステンドグラス照明が美しい。

ひとりの女の子がルシア姫となり、お付きの女の子と星の精の男の子と一緒に
ルチアやクリスマスに関する歌を歌う。

ルシア姫のろうそくを頭に立てた姿は、
日本人の間ではよく、八つ墓村に例えられるが、
決してそんなことはない。
真っ白な衣装を着て、ろうそくの光に包まれて歌う姿は清らか

歌の後には、サフランパンやジンジャークッキー、コーヒーが配られる。
かつては、各家庭で娘がルシア姫になり、ベットにいる親に朝食として運んだようだ。


ルシアの衣装として小さい子用に、ろうそく風に仕上げた電灯付き冠が売られている。
これは暗闇で見ると綺麗けど、明るい所では微妙。
我が家は迷った挙句買わずに、星の冠を作りました。

幼稚園のルシア祭には、その他、Jultomte(サンタ)やPepparkaksgubbe(ジンジャークッキーマン)の衣装が見られる。
後者は、クッキーらしく白い模様を付けてあるものの、どうみてもただの茶色いスェット。
何故わざわざこの衣装を買うのだろう?見る度に疑問。




話を戻して。

スウェーデンの冬は、長くて暗い。
電気もなく貧しい時代には、本当に厳しい季節だっただろう。
そこに、美しい光と子らの姿は、人々の心を和ませ元気付けたことだろう。
宗教上の意味合いが薄らいだ今でも、この行事が大切にされている理由はここにあるように思う。

やっと雪

ようやく冬が来たようです。

一昨日から、まとまった雪が降り、
辺りは真っ白。

写真は午前8時。
私は、暗闇から徐々に明るくなる、群青色の時間帯が一番好きです。

今年の10〜12月頭は、数日雪が降っただけ。
あとは、ずっと雨や曇り。
心まで、ジメジメどんより。

そして、待ちに待った雪。
景色は一気に明るくなり、
誰もがウキウキしているように見える。

2009年12月11日金曜日

灯りと暮らし

スウェーデンの家庭の灯りは、本当に良い。

うつうつとするような暗い冬を、心地良いものに変えてくれる。
うす暗い部屋と、所々にともされた灯り。
柔らかい光の中で、身体も心もゆ〜ったりしてくる。

キッチンでも。
照らされた場所と照らされない場所の濃淡の中、
食べ物が美しく見える。

窓辺の灯りも、スウェーデンらしい飾り方。
山型の照明は、この時期のお決まり。

リビングはみんなが集い、くつろぐ場所。
照明にもこだわりが見える。
決して全体は照らさず、手元目をやる場を照らす。

ろうそくも日常的に愛用。

照明を消して、ろうそくの灯りだけにすると
静かな深い時間に。

さらに暖炉の火が加わることも。

(以上の写真は、いくつかのスウェーデン人家庭で撮らせてもらいました。)



私も、スウェーデンの灯りの使い方を真似ようとするけど、
なかなか上手くいかない。

彼らの灯りの使い方やセンスは、
小さい頃から日々の中で培われてきたものだ、と実感する。

とすると、日本らしい光の使い方も、きっとあるんだろうな。
自然光の取り入れ方も含めて。