2009年12月16日水曜日

聖ルシア祭

12月13日、聖ルシア祭が行われた。

ルシアとは、イタリア生まれの聖女ルチアのこと。
日本でも知られる歌「サンタルチア」のルチア。
ルチアは貧しい人々に財産を分け与えていた。
その後クリスチャンである事を理由に、ローマ政府によって処刑される。
処刑時に火あぶりを受けたが、ルチアの身体は一切燃えなかった。
最終的に首を斬られ、命を絶った。
後世にルチアは、光の聖人、農耕の守護神として親しまれるようになる。


この日は、旧暦の冬至で、
最も長い夜を乗り切るとともに、これから日が長くなっていくことを祝う
冬至を祝う古来からの信仰に、聖人ルシアが取り入れられた。


現在では、教会や学校でルシア祭が行われる。
写真は、ある地域の教会。
天井に吊るされた、環状のステンドグラス照明が美しい。

ひとりの女の子がルシア姫となり、お付きの女の子と星の精の男の子と一緒に
ルチアやクリスマスに関する歌を歌う。

ルシア姫のろうそくを頭に立てた姿は、
日本人の間ではよく、八つ墓村に例えられるが、
決してそんなことはない。
真っ白な衣装を着て、ろうそくの光に包まれて歌う姿は清らか

歌の後には、サフランパンやジンジャークッキー、コーヒーが配られる。
かつては、各家庭で娘がルシア姫になり、ベットにいる親に朝食として運んだようだ。


ルシアの衣装として小さい子用に、ろうそく風に仕上げた電灯付き冠が売られている。
これは暗闇で見ると綺麗けど、明るい所では微妙。
我が家は迷った挙句買わずに、星の冠を作りました。

幼稚園のルシア祭には、その他、Jultomte(サンタ)やPepparkaksgubbe(ジンジャークッキーマン)の衣装が見られる。
後者は、クッキーらしく白い模様を付けてあるものの、どうみてもただの茶色いスェット。
何故わざわざこの衣装を買うのだろう?見る度に疑問。




話を戻して。

スウェーデンの冬は、長くて暗い。
電気もなく貧しい時代には、本当に厳しい季節だっただろう。
そこに、美しい光と子らの姿は、人々の心を和ませ元気付けたことだろう。
宗教上の意味合いが薄らいだ今でも、この行事が大切にされている理由はここにあるように思う。

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