2010年1月25日月曜日

シュタイナー幼稚園 3 室内(民家)

親たちで民家を共同購入し、開園されたWaldorf förskolanの室内。

15×15㎡程の部屋が3つあり、それぞれを各クラスの部屋にしていた。
ひとつの箱形の部屋に、色々な場所を設ける工夫が見られた。

家族みんなが集まってきそうな大机。

遊びの場所を二段ベットのように作ってある。
小さな空間が楽しそう。

民家ならではの、暖炉。
実際に使っている。

民家利用のFörskolanでは、施設整備をゼロから作らねばなければならず、
お金が足りないそうだ。
改築費用は、コミューン(市)から提供される管理運営費から出す。
コミューン提供のFörskolan施設では基本設備(各部屋のキッチン、トイレなど)が予め備えられているのに対し、
ここでは、他校と同じ分の管理運営費から、各設備を作らねばならない。
そのため、例えば、ここのキッチンは、他の家具に似合わず、とても現代的で浮いていた。
先生も、気に掛かっている様子。

天井は音を吸収するボードが貼ってあり、壁も綺麗にに塗り直されている。

室内の現代的改装に、日本の古民家を想像して行った私は表紙抜けした。
民家の良さ、は何だろう?

この学校の良さは。
・各クラスがひとつ扉でつながっていて、クラスをぐるぐる回遊できる。
クラス間交流が自由なら、楽しそうだ。
・2階は先生の部屋と工房。
改装は少なく木材むき出しで、建物の面白さが感じられる。
子供たちにとって、2階はわくわくする魅惑的な場所だろう。
この2つの良さを生み出しているのは、民家の作りならでは。

民家を施設として活かす
こういった取り組みは、日本でも増えて来ているようだけど。
どういう風に活かすか?
興味深い。
色々見て、考えて行きたい。

シュタイナー幼稚園 2 室内

Waldorf förskolanの良いところは、まず第一に室内の雰囲気
温かい、優しい
そんな言葉が浮かんでくる。

実際の部屋は、こんな感じ。(コミューン(市)により提供された建物)
このWaldorf förskolanは、建物の作りは一般のFörskolan(参照) と同じものの、
部屋割を工夫し、他とは異なる室内が作られている。
人数や子供の年齢に合わせて、小さい部屋のクラスがあったり、
ひとつのクラス内でも、壁を抜き、ひとつながりの空間を作っている。

1)3〜6歳の部屋。
大きなテーブルが2つあり、ここで食事をし、遊ぶ。
そして、カーペット
子どもたちは好んでカーペットに行き、寝転がったり、座って遊んでいた。
床は子供の行動にとって大事だと実感。
床遊びだと、遊びはんな方向に広がって行く。
積み木をしていても、四方に広がって行き、さらに他の子が加わったりと、面白い。
身体の動きもダイナミックになるようだ。
私のFörskolanでは目にしない光景だった。
歌の時間も、カーペットの上で。

おままごとの場所。
小さなスペースだけど、物も環境も整えられている。

キッチン。
一般のFörskolanと同じタイプだけど、布や手作りの棚などで、柔らかな雰囲気にしている。
手作り棚に吊るしてあるのは、干しリンゴ。

ちょっとした休憩スペースも。

部屋が個々で別れず、つながっているため、
端から端に走ったりみんなの様子を常に感じている事が出来る。

2)このクラスも3〜6歳で、15人程。
まるで、お母さんやおばあちゃんが居そうな場所も。

ここのキッチンは、「施設」の枠を超え、家のような行き届いた雰囲気。
先生が料理好きなのかな?

各部屋には、季節の飾り付けをする場所がある。
これは、シュタイナーの教育方針。


3)1〜2歳で5人程の子供のクラス。
小さな部屋に、キッチン、テーブル、ソファ、遊びの場所がある。
天井は大きな布で覆われ、包み込まれている感覚になる。

カウンター式のキッチンなのが面白い。
小さい子は何回にも分けて食事が必要なため、先生がキッチンに立つ事が多いからだろうか?

おむつ替え台。

Waldorf förskolanの壁にはよく絵が描いてある。
キリスト教関係の絵が多いのだが、色合いがどれも美しい。


私は、一般のFörskolan(保育園兼幼稚園)を見ていて、「日本との違い」を感じ、 面白く思っていた。(一般のFörskolanの様子はこちら。)
が。
Waldorf förskolanに来て、気付かされた。
私は「日本と違う」環境にばかり注目し、「良い環境」についての意識を鈍らせていたようだ。

シュタイナー幼稚園 1 外観

ウメオにも、シュタイナー教育を行っている学校がある。
そのうちの幼稚園、Waldorf förskolanを見学した。

ここで。
シュタイナー教育における「生まれてから7歳まで」の在り方についての一般的な考えは、以下。
・幼稚園は年齢タテ割りで、知育をしない
・子どもはまだお母さんのお腹の中にいるような気分で生きているため、部屋も子宮の中を思わせる淡いサーモンピンク色に仕上げ、透きとおったカーテンで直射日光をさえぎり、夢の中のような雰囲気を保つ。
・子どもはこの時期には、理屈ではなく、模倣から物事を身につけて成長するので、静かで、優しく、生き生きしたよい人間関係リズムのある生活よい環境を与える。
・この年齢の子どもの生活半径は家庭にあるので、幼稚園も家庭的な雰囲気を作り、教師はお母さんやお父さんのような雰囲気で子どもに接する。
・幼稚園では教師は脇役。


スウェーデンでは、プライベートの学校であっても、その運営費はコミューン(市)から得られる。
Waldorf förskolanもコミューンから運営費を得ているが、
上に述べたように、一般的な幼稚園とは方針も環境も異なっている。

Waldorf förskolanはウメオに数個ある。
そのうち1校はコミューンにより提供された校舎を使い、他校は民家を親らが共同購入。
(今回はコミューンにより提供された幼稚園を中心に紹介します。)

建物自体は、コミューンにより提供されるため、一般の幼稚園と同様の作り。
でも、外壁色は、青紫。
驚いた。

他のWaldorf förskolanは、民家を買い取ったため、まさしく家。

2010年1月22日金曜日

雪についた跡

人は近道が好き。
どんなに雪深くても。
もしかしたら、整えられた道よりも、野道が好きなのかもしれない。
自分で切り開いて行く事が、快感なのかもしれない。

木々の根元には、小さな凸。
その周りには、ポツポツと凹。
枝から落ちて来た雪が作った穴。

2010年1月19日火曜日

幼稚園の室内 2

幼稚園の室内 1 の続きです。

5)一番大きな遊び部屋。
50㎡程。
走り回ったり転げ回って遊べる部屋。
おままごと道具や変装グッズが置いてある。
子どもたちの絵も貼ってある。
天井から、サーカスのブランコのような物が釣ってあり、時々降ろしてぶら下がり遊びをしている。

おもちゃのキッチンは先生が中古屋で買って来たもの。


6)ブロックの部屋。
レゴやミニカーなど小さなおもちゃが置いてある。


7)工作の部屋。
絵の具やビーズなど汚れやすい工作をする部屋。


5)歌の部屋。
毎日30分程の歌の時間がある。
歌の前に「今日は何日?」と絵や玉を使っての数字の勉強のようなものもする。
日本の保育園幼稚園と比べると、「勉強」の要素がかなり少ない。
もちろん、その他の時間に、数字や文字をさりげなく取り入れてはいる。
うちのクラスは厳しめで、歌の時間には、しっかり自分の位置に座り、私話をしてはいけない。小さな子でも。
歌の時には、自然と身体が動き出すはずなのにな。

8)お昼寝の部屋。
マットレスが敷きつめられている。
日本の床敷き布団のような感じ。
先生一人が子守唄を歌いながら、添い寝してくれる。
(外でベビーカーで寝る子もいる。参照


8)洗面所、トイレ。
面白いのが、各自にタオルがある事。
先生のトイレに行くと、そこにも各自のタオルが掛かっていた。
(一般の施設や職場では、紙が基本。紙化しているFörskolanもある。)

トイレは個室。
小さい子はオマル(写真、洗面台下)に座り、絵本を読みながら頑張る。

オムツ替え台。
リモコン操作で、台を上げ下げできる。
床に布を敷いてオムツを替える私にとっては、あまりに大げさなマシンに見える。


上に書いた部屋の使い方は固定されておらず、時々変えられている。
うちのクラスでも、数ヶ月前に、食事の部屋が歌の部屋とブロックの部屋に移り、それまでの食事の部屋には子供に扱い易い低い机を置かれ、遊びの部屋になった。

当たり前だけど、部屋の飾り付けは、各クラスの先生のセンス次第で、様々。
スウェーデンでは小物を職場に飾ることは一般的なようで、日本でいう教室の飾り付けのレベル差以上。
例えば、クリスマスツリーのあるクラスがあれば、ほとんどクリスマス小物がないクラスがあったり。



全体の感想として、
ひとつのクラス内で部屋がいくつもに別れているのは、小さい子の生活の場としては好ましくないと思う。
この部屋が小分けされた様式は、一般の家の様式から来ているのだろう。
それは、幼稚園に必ずしも合っていないようだ。

理由は、「他の子がどこで何をしているのか分からない。」
ある先生は、部屋の細分化について「それぞれの部屋で子供が自分のしている事に集中でき、良い」と言っていた。
集中できる場所は必要だと思う。
でも、全ての部屋が閉ざされる必要があるのだろうか?
各部屋の作りとその内容に必然性があると思えない。(寝室やエントランス、洗面所を除いて)
それに、小さい子の活動は、自分の感情や周りの子の動きと共に、どんどん移り変わって行く

日本の保育園や幼稚園のように、ひとつの広い部屋を棚などで空間分けし、
いつでも友達の様子がなんとなく意識できる方が良いのではないかと思う。



「幼稚園の室内1」へのコメントに、
クラス間共通の部屋を持つFörskolanの事やクラス間の交流の話が書かれています。

幼稚園の室内 1

一般的なFörskolan(1〜5歳までの幼稚園兼、保育園)の中。
建物は、平屋建て。

3〜4のクラスが横つながりに並ぶ。


各クラスの部屋はこんな感じ。
下の図は、私の子供のFörskolanの部屋割り。
もちろん、クラスごとに部屋の位置関係が違っていたり、
Förskolanごとに部屋の作りも少しずつ違っているが、
いくつかの部屋に別れている事や、基本的な内装は同じ。


1クラスは、大小様々な部屋10つ程に別れている。
それぞれドアで仕切られていて、家で言う「個室」のような感じ。 
日本の幼稚園・保育園の大空間とは、だいぶ雰囲気が違う。

以下の番号は、上の図内の番号に対応しています。
1)玄関。
ここで靴を脱ぐ。
乾燥ロッカーも置いてあり、濡れた服を乾かす。

2)エントランス兼ロッカー。
広さ、15㎡程。
子供ひとりひとりの棚があり、服や持ち物を置いておく。
スウェーデンでは、服はフックに引っ掛ける事が多い。なので、子供にも簡単。
棚には、親が作った、家族の写真やその子のマークとなる物を飾る。


3)図書スペース。
2)の部屋に、出っ張りスペースがあり、
ソファーと本棚が置いてある。
子どもたちがソファにずらっと並び、絵本を読む姿は可愛らしい。
窓が付いていて、登校時親と別れる際、ここでもバイバイが出来る。


4)食事、遊び、先生の部屋。
この部屋は50㎡程の大きな部屋で、テーブルが置いてある。
食事をしたり、机を用いる遊び時に使われている。
食事中は、1テーブルに子供が5、6人に先生1人。
キッチンも付いているが、あまり使われていない。
食事は基本的に、調理室で作られ、子供が台車で運んでくる。
この部屋には、パソコンや先生のノートも置いてあり、先生にとっての部屋でもある。
パソコンは子供も遊ぶ。

2010年1月12日火曜日

しばらく

体調が優れないため、
しばらくの間、更新が
(さらに)ゆっくりペースになりそうです。
(病気ではないので、心配しないで下さい。)

2週間に1度の更新は心がけるつもりです。
懲りずに、ちょこちょこ見に来て下さい。

それでは、また。

おまけ。
我が家の人たちは、いつもこんな感じに元気一杯。

2010年1月4日月曜日

2010 新年

明けまして おめでとうございます。
いつも見て下さってありがとうございます。

昨年は、落着いて暮すことができました。
今年はどんな年になるのか、毎年の事ながらドキドキしています。
ウメオには、もう少し留まりそうです。


ウメオでは、年末に一気に雪が降りました。
屋根にも地にも木々にも、こんもりと雪が積もっています。
写真の中央付近の、灯りのついた部屋が、我が家です。


コメントもとても楽しみにしています。
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それでは、2010年も
どうぞよろしくお願いします。