2010年3月18日木曜日

小学校・中学校 2 他の教室

1)図書室
ソファが多く、ゆったり座って読めそうだ。

2)体育館
子供たちは自由に動いている印象を受ける。
のびのびと、おのおのがしたい事をして、身体を動かしている。
整列も見かけないし、皆で同じ事を、という風でもない。
体育の意義を、身体を動かす喜び健康と考えた時、
自由なやり方で良いんじゃないだろうか。
裸足は、本来の身体能力を鍛えるため?
クライミングは、公園の遊具てしても定番。
天井には、たくさんの吊り輪。

3)手工芸室
写真は、木工作業の部屋。
設備も本格的。
スウェーデンでは、日曜大具は当たり前。
ここで、しっかりと基礎を学ぶのだろう。
その他に、裁縫や料理のための部屋がある。

4)音楽室
授業でバンドを組んだり、輪になってギターで歌ったりしていた。
見るからに、楽しそう。
かしこまって並び、歌ったり笛を吹く日本とは、全く違う光景があった。


ところで、日本の技術家庭科、そして音楽の授業は、実際の暮らしに活かされているのだろうか?
私の学生時代、技術家庭科や音楽は、授業止まりで日々の暮らしに繋がっていかなかった。
授業は、楽しさを感じる内容ではなかったし、日々の生活に還元できるような授業の在り方でなかった。

そして、今になって思う。
日曜大工も料理も、裁縫は、暮らしを楽しくしくれる。
そして、自分の要求にあった、より良い物が出来る。
かつては、暮らしに必須だった技術家庭科。
何でも買える今、技術家庭科には、新しい意味があると思う。

音楽。
スウェーデンに来て、何度か、
友人宅で、さりげなくギターやピアノを演奏してもらう、という体験をした。
その時の、ゆったりした幸せな気持ち。
こんな風に音楽が暮らしの中に溶け込んでいるのは、素敵だ。
我が家も、オカリナやウクレレを始めてみた。
ド下手ながらも、素敵な時間を生み出してくれている。

技術家庭科や音楽の授業が、
その楽しさを見いだせ、日々の暮らしに繋がっていくものであれば良いな。

小学校・中学校 1 教室

スウェーデンでは、小学と中学が校舎や敷地を共有する場合も多い。

今回見学した学校も、小・中共有の校舎。
幼稚園も、隣の敷地にある。

校舎は、平屋建て
外壁には、一般住宅にもよく使われている、黄色のレンガ。
周辺住宅に、よく馴染んでいる。
(他校を見ると、複数階の校舎もあるし、コンクリート外壁のものもある。)


1)配置イメージ図
橙色がクラスルーム。
3つのブロックのうち、上が中校生、下2つが小学生の教室。
中校生は科目ごとに教室を移動し、小学生は基本的に自分の教室に留まる。


2)クラスルーム
15×15㎡程。
小学校の1クラスは16人程。1学年2クラス。

部屋の飾り付けも、机の配置も各クラスで色々。
机と椅子も、クラスごとに選ぶ。

クラスルーム内には、10㎡程の小さな部屋がある。
大勢のいるクラスルームとは別に、静かで落着いた環境を持つための部屋。
グループ作業時、先生と生徒の話し合い時、休み時間に使われる。
この小さな部屋は、他校にもあり、
スウェーデンの学校建築において一般的な考え方なのだろう。
少し秘密めいた雰囲気で、楽しそう。


3)オープンスペース
15×30㎡程。
この学校では、1年から6年まで1クラスずつが集まり、
ひとつのオープンスペースを共有。
(配置イメージ図参照、赤斜線部がオープンスペース)
このため、学年間の交流が持ち易い。
大机や数人用の机、ソファー、小さなキッチンがある。
大きい作業スペースが必要な時に使う事もあるし、
生徒が自主学習の時には、教室から出て各自好きな場所で作業をする。
もちろん、休み時間にも活躍。

4)玄関
学校のエントランスとは別に、各教室に玄関がある。
冬には、玄関で脱ぐ物が多いためだろう。
この玄関のおかげで、教室と外が直接つながっている。

5)廊下
ベンチも所々置かれているが、あまり活用されていなかった。

6)障害児のための教室
ウメオでは、障害児の通える学校は、この学校を含め2、3校。
この学校には、26人の障害児がいる。
基本的には各学年のクラスルームで過ごし、必要に応じてこの教室で活動する。



おまけ
多くの生徒が校舎内では靴なしでいた。
スウェーデンは、日本よりずっと裸足の国のようだ。
日本も、上履きは必要ないのかも。
家のように、裸足でいれる学校。
のびのびできそうだ。

スポーツ休暇

スウェーデンでは、2月半ばから3月半ばに、
1週間のSportlov(スポーツ休暇)がある。

Sportlovの週は、各Län(県)やKommun(市)によって異なる
理由は、仕事の停滞や、交通や余暇地の混雑を防ぐため。
例えば…
 Stockholms län : 3月 第1週
 Västerbottens län(Umeåの属するLän): 3月 第2週


スウェーデン人は、自然の中で過ごす事への欲求が強い。
「野外で過ごす事、自然に触れる事は健康に良い」という思想も、昔からある。
特に、都市に住む人にとって、Sportlovは重要なようだ。


Sportlovの始まりは、1940年のヨーロッパでの戦争から。
この時、スウェーデンでは家を暖めるための燃料コークスが不足。
政府は、コークス節約の一環として、毎冬1週間の学校閉鎖を決定(Kokslov)。

コークス不足が解決した後も、「子供にスキーやスケートを教えるのに良い」と、
Skidlov(スキー休暇)として続けられた。

現在では、Sportlovと名称を変え、
スキーやスケートといった冬のスポーツだけでなく、
Innebandy(フロアボール)や乗馬など、様々なスポーツを楽しむ休暇となっている。


旅行会社もSportlov中の、ツアーを用意。

Sportlovとして、最も人気なのが、
山へのスキー旅行。(スウェーデンは平坦な土地で、高山が少ない)
次いで、人気なのが、
暖かい国への旅行。(エジプト、カナリア諸島が一番人気)

冬キャンプも人気が高まっている。
昨年では、約30%が冬キャンプへ。
スウェーデンには、年中オープンしているキャンプ場が約160ある。
もちろん、スキー用の丘やトレイル付き。

写真は、新聞 8 SIDORより。
寒と暖、対照的で面白い。

2010年3月14日日曜日

サーミの家

ウメオでは、3月第2週はSamisk veckan(サーミ文化の週)だった。
色々な場所で、サーミ文化を伝え、話し合うイベントが行われた。


私は、野外博物館にあるサーミの家へ。
(展示用)


現在ではサーミの人の多くは、他地域と変わらない家で、定住しているが、
かつては、狩猟やトナカイの遊牧を行い、独特の家に暮らしていた。

サーミの伝統的な家、その1。
外観。

この家は、アカマツで内側を組み、隙間に地被類を詰め、白樺の樹皮で葺き、
その上に草付きの土を葺き、最後にアカマツで外側を押さえている。

内部。
室内の中心に囲炉裏
その周りには、トナカイの毛皮が敷き詰められている。

この家の主人(もちろんイベント用だけど)が、寝転んで客をもてなしていたので驚いた。
そういえば、スウェーデンに来て、時々、
さして親しくない人の中で寝転ぶ人を見かける。
寝転ぶのは、日本とは違って、失礼な事ではない??


トナカイの毛皮の下には、トウヒの葉付き枝が敷き詰められている。
断熱・消臭のためか。
トナカイの皮は、本当に暖かい。
屋外の冷たさを通さない。

トウヒの葉付き枝は、入口にも敷かれていた。
滑り止めか、靴の汚れ落としか。

木々が立並ぶ様が、感覚を刺激してくる。
枝分かれ部分を利用した、組みも。

囲炉裏の煙が抜けるよう、家先端部は空いている。

家の主人は、一番奥に座る。
そこには、物を置く台と鍋置きがある。

入口から真っすぐ行った先には通気口がある。
外気が室内に入り、家先端部の穴から抜けるようになっている。
(上写真、中央の白い部分)


kvanneという、セリ科植物の干し物を食べさせてもらった。
甘い。

容器は、サーミの工芸品ククサ。白樺のコブで出来ている。
白樺コブ特有の、木目と輝き。

北スウェーデンは自然素材の種類が少ない。
例えば、主な樹木は、トウヒ・アカマツ・白樺。
サーミの家には、その小さい空間の中に、
北スウェーデンの自然が、凝縮されているようで面白い。


サーミの家、その2。
上の家と同じように、アカマツや地被類、白樺の皮で作られた家。
室内でサーミのあばあさんがお話をしてくれる時間だったため、内部写真は撮れず。
内部の使い方は、上の家と基本的に同じ。
地面が掘り下げてあり、より暖かそう。

サーミの家、その3。
テント型の家「Lavvo」。
遊牧をするサーミにとっての、夏の住まい。
アカマツを円錐状に組み、その上に布を張ったもの。
現在、布部分はキャンバス地だが、かつては、トナカイの皮だった。



おまけ。
子供用に、トナカイのそりのイベントもやっていた。


その他、サーミに関する記事。
1 2 3

冬の海

海にも行ってみた。

どこまでも広がる雪の地表。
広い空。

8km程向こうには、島。
島の手前に、小さな光。
何だろう?



島には、スノーモービル徒歩クロスカントリーで渡るようだ。
(夏場は、船が運航。)


こんなスノーモービルも。
各キャビン4人乗り。

冬の川

ウメオ川へ。

ここでも、やっぱり、クロスカントリーの姿。
雪は、カチコチに凍っている。

前回書いた湖もウメオ川も、我が家から歩いて20分。
バスなら10分。

暮らしのすぐ傍に、余暇を過ごせる場所がある。

お金もかからず、
健康的で、
景色はきれい。
まさしく、リラックスリフレッシュのための余暇。

こういった環境があることは、とても幸せだ。

そして、
都市計画上、こういった環境を用意することが、大事だと思う。
(ウメオでは、緑を、リラックスとリフレッシュのための場所として、
 都市計画の基盤に置いている。)

2010年3月8日月曜日

冬の湖

久しぶりの晴天で、近所の湖へ。

さっそく、湖上でお昼ご飯。

湖上でクロスカントリーする姿も。
湖の淵近くに、クロスカントリーの滑り跡がある。
この何重にも重なった滑り跡こそが、コース。

我が家も負けずと、そりで湖横断。
足が埋まって、なかなか進めない。

湖上の雪模様が、美しい。


湖畔では…
(写真、木々の向こうが陸地)
BBQをする人、日光浴をする人。
除雪した雪で作られた雪山では、子供がそり遊び。

日光浴の仕方も、雪上ならでは。
BBQ台は自分で作る。

2010年3月6日土曜日

暖かく?

今週に入り、徐々に暖かくなって来た。

今日の日中は、−3℃。
ふと外を見ると、さっそく日光浴をする姿。

私の住宅地では、
ベランダの柵を越え、エントランスの屋根で日光浴をするのが、人気らしい。
(写真中央)


雪は積もっていても、少しでも暖かくなれば、日光浴。
4月に入れば、BBQをする姿が見れるだろう。(参照