2010年3月14日日曜日

サーミの家

ウメオでは、3月第2週はSamisk veckan(サーミ文化の週)だった。
色々な場所で、サーミ文化を伝え、話し合うイベントが行われた。


私は、野外博物館にあるサーミの家へ。
(展示用)


現在ではサーミの人の多くは、他地域と変わらない家で、定住しているが、
かつては、狩猟やトナカイの遊牧を行い、独特の家に暮らしていた。

サーミの伝統的な家、その1。
外観。

この家は、アカマツで内側を組み、隙間に地被類を詰め、白樺の樹皮で葺き、
その上に草付きの土を葺き、最後にアカマツで外側を押さえている。

内部。
室内の中心に囲炉裏
その周りには、トナカイの毛皮が敷き詰められている。

この家の主人(もちろんイベント用だけど)が、寝転んで客をもてなしていたので驚いた。
そういえば、スウェーデンに来て、時々、
さして親しくない人の中で寝転ぶ人を見かける。
寝転ぶのは、日本とは違って、失礼な事ではない??


トナカイの毛皮の下には、トウヒの葉付き枝が敷き詰められている。
断熱・消臭のためか。
トナカイの皮は、本当に暖かい。
屋外の冷たさを通さない。

トウヒの葉付き枝は、入口にも敷かれていた。
滑り止めか、靴の汚れ落としか。

木々が立並ぶ様が、感覚を刺激してくる。
枝分かれ部分を利用した、組みも。

囲炉裏の煙が抜けるよう、家先端部は空いている。

家の主人は、一番奥に座る。
そこには、物を置く台と鍋置きがある。

入口から真っすぐ行った先には通気口がある。
外気が室内に入り、家先端部の穴から抜けるようになっている。
(上写真、中央の白い部分)


kvanneという、セリ科植物の干し物を食べさせてもらった。
甘い。

容器は、サーミの工芸品ククサ。白樺のコブで出来ている。
白樺コブ特有の、木目と輝き。

北スウェーデンは自然素材の種類が少ない。
例えば、主な樹木は、トウヒ・アカマツ・白樺。
サーミの家には、その小さい空間の中に、
北スウェーデンの自然が、凝縮されているようで面白い。


サーミの家、その2。
上の家と同じように、アカマツや地被類、白樺の皮で作られた家。
室内でサーミのあばあさんがお話をしてくれる時間だったため、内部写真は撮れず。
内部の使い方は、上の家と基本的に同じ。
地面が掘り下げてあり、より暖かそう。

サーミの家、その3。
テント型の家「Lavvo」。
遊牧をするサーミにとっての、夏の住まい。
アカマツを円錐状に組み、その上に布を張ったもの。
現在、布部分はキャンバス地だが、かつては、トナカイの皮だった。



おまけ。
子供用に、トナカイのそりのイベントもやっていた。


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