2010年4月28日水曜日

レジャーの森

ウメオでは、アウトドアのための広大な緑地が、
各住宅地から2.5km以内に設けられている。

ここで言う緑地とは、森のこと。
(以下、この森を「レジャーの森」とします)

森の中には、
スキーや運動のための道「Skid&motionsspår」が整備されている。
土の道が気持ちよい。
秋には、脇に入り、キノコやベリーをとる姿。

ベンチや小屋などの休憩場が、所々に設けられている。

この道では、自転車や乗馬は禁止。
雪のない期間には、走ったり、犬の散歩もして良いが、
冬の間は、クロスカントリーのための道になる。


ウメオの地図で見てみると、
住宅地とレジャーの森が計画的に配置されているのが分かる。
地図内 が住宅地、がレジャーの森。
左下線が1km。

より大きな地図で レジャーの森 を表示
わざわざ遠出をしなくても、家から徒歩や自転車で行けるのがうれしい。


ちなみに、
リクリエーションのための緑地は、住宅地から300m以内に設けられている。
(参照:遊び場遊び場問題点



ウメオの緑地計画は優れている。
ここまで、住宅地と森を交えて計画された都市は少ない。
今回書いたレジャーの森だけでなく、住宅地間にも森の一部が残されている。
(参照:自転車歩行者専用道路

これを成せたのは、ウメオがここ50年で急速に拡大したからだ。
それまでは、中心街とその周辺から成る小さな町で、周囲には森が広がっていた。
そして、中心街以外の多くの地区は、自然も都市の中に必要だとする、現代の都市計画の考え方で、開発が行われた。
つまり、もともとあった森を活かし、住と自然が入り交じった都市が作られた。

2010年4月23日金曜日

スキー板

ウメオは、少しずつ春らしくなってきました。
なので、時期遅れの話題ですが…。

世界最古のスキー板は、ウメオから100km程北で出土して見つかっている。
それによると、人は4千年(5千年説も)も前からスキーを用いているそうだ。

Västerbotten Museet(ウメオの属する県の博物館)には、
たくさんのスキーが展示してある。

古い物から最新の物まで展示してあるが、
その中でも、気になったのが、
木のスキー板。

彫り模様に見とれててしまった。
きっと、どの模様にも色んな意味が込められているのだろう。



2010年4月16日金曜日

小学校・中学校 4 屋外

校舎をぐるっと取り囲むように、校庭が作られている。
この学校は、面白い校庭の作りをしているが、
他校を見ると、日本で一般的なグラウンド型をとっている場合もある。


配置イメージ図、エントランスから時計回りに。

1)校舎を囲む丘
高さ3m程の丘が、校舎に沿って盛られている。
何の変哲もない丘だけど、これが結構面白い。
坂道を上に下に走ったり、
教室を見下ろしたり、遠方を眺めたり。

2)スケートボード場
校舎から丘を超えた所にある。
学校の敷地なんだか、森の一角なんだか。
こんなにオープンなら、学校を抜け出すのに、やましさも感じなさそうだ。

3)コース
日本の運動場だと、コースはど真ん中に陣取っているのに。
ここでは、「時には必要だから作った」程度の在り様。
競争は、重要視されていないのだろう。


4)森
校庭から森につながっている。
森の入り口は湿地になっているため、歩道が付けられている。
細い橋を渡る感覚が、森に入るわくわく感を盛り上げる。
この森は、授業にも活用されている。

校庭と森は境目なく、つながている

5)教室ブロック間
クラスルームから成る3つのブロックの間にも庭。
この学校は、クラスルームごとに玄関がある。
そのため、この目の前の庭は、各クラスに最も身近な庭
現状は、ベンチがあるだけの面白みのない庭だけど、
もっと面白くなりそうだ。
クラス菜園にするとか、芝生や木を植えピクニックできるようにするとか。

6)遊具場
ここの遊具は、加工の少ない木を使った物が多い。
内容もシンプル。
この素朴さが、とても良い。
(私は、遊びは子供自身で作り出していって欲しい。
 なので、手の込んだ遊具より、シンプルで色々な遊びへ広げていける物が好み。)

遊具場の背後には、木々や岩があり、森が広がっている。
子供たちが木や岩に登って遊ぶ姿が、目に浮かぶ。

小学校・中学校 3 食堂・職員室

1)食堂
スウェーデンの小中学の給食は、バイキング方式が基本。
好きな物だけ選べるのは、良いのか悪いのか?
好きな物を選べるから、食べ残しが少なくなる、という意見もあるが…

写真の奥の方には、テーブルがずらりと並ぶ。
全クラスが、時間をずらしながら、食堂を共有
大きい子も小さい子も一緒に食べる。

1−2)売店
食堂で食べなくても、売店で軽食を買える。
ここでギターを弾いている子もいた。

2-1)職員の部屋
各職員の部屋は、個室としてあったり、数人の部屋(例えば一学年)としてあったり。(参照:市庁舎)
日本のような大きな職員室はない。

2-2)職員の休憩室。
会議も出来る大机。

たくさんの感じの良いソファ、落着いた照明、絵…。
まさしく「休憩」のための部屋。
整った休憩室は、どの職場にもあるようだ。(参照:高齢者施設)
Fika(お茶)の時間を大事にする文化から来ているのだろう。
ストレスの多い仕事。良い休憩室は重要。

3)掃除員の部屋
子供たちは、学校の掃除はしない
清掃業者が入る。
もちろん、自分の机の周りくらいは整えるが。
大学生の多い、私の住宅地は、ゴミのポイ捨てがひどい。
自分の生活空間を掃除しない事と、大学生のゴミマナーの悪さ
つながっているのでは?!

話を戻して。
掃除員の部屋も、小さいけれど、素敵に飾ってある。



給食経費について、さんしさんがコメントを書いて下さっています。
私も、スウェーデンの学校給食については、疑問があります。
食に関して言えば、日本の教育は良い方向に進んでいると思います。
子供たちが作物を作ったり、地元の農家とつながったり。