2011年2月1日火曜日

別荘 1

日本では別荘を持つのは一部のお金のある人たちだけだが、スウェーデンではもっと庶民的だ。
人口900万人のスウェーデンに68万戸の別荘Fritidshusがある。
日本は1億3千万に対して30万戸だから、大きな違いだ。

国土の中でも多くの面積を占めているようだ。
例えば、首都のストックホルムには、300の別荘地区Fritidshusområdenがあり、合計で約5万5千ヘクタールとなる面積はストックホルム都市圏の10分の1の面積を占める。
(Fritidshusområdenの定義は、中心地区の場合は隣の別荘との距離が最大200mである地域の中に少なくとも200人住んでいる地域、郊外の場合は隣の別荘との距離が最大150mである地域の中に少なくとも50人住んでいる地域。ここで言う別荘とは、別荘として税評価されているもの。)
このような別荘地区は全国に1300あり、合計で16万戸の別荘が建つ。
つまり、多くは別荘地の外に個別に建っていることになる。
(参照:Statistics Sweden Statistiska centralbyrån


別荘の多くは、以前に農家として使われていた建物だ。
多くは、以前記事にした「友人のサマーハウス」くらいの大きさ(平屋建て70平方メートル程度)、もしくはそれが2階建てになったくらいの大きさだ。
スウェーデンでは産業化が遅かったため、1940から1950年代まで農家の家が多く残っていた。
一方、産業化により都市で暮らす人々は野外での暮らしに憧れるようになった。
そこで、農家の家や小屋が別荘として利用されるようになった。
(参照:Wikipedia" Fritidshus")。

このような経緯から、多くの別荘は古い建物を直しながら使われている。(以前の記事も参照:友人のサマーハウス 家の歴史
ただ、必ずしも子孫に受け継がれているわけではなく、売買される場合も多い
例えば、ウメオ近郊の町にある別荘を見てみると(参照:別荘販売サイト)、安いと20万クローナ(現在の為替で250万円弱;共働きの平均収入で考えると4〜5ヶ月分)で売られている。
(詳しく見たい人へ:各別荘の説明欄の右上が金額、左上は地域名、Antal rumは部屋数、Boareaは居住面積、Tomtytaは土地面積を示している。左下の”Visa”をクリックすると詳しい情報が表示され、”Bilder”をクリックするとその別荘についての全写真が表示され、”Karta”をクリックすると立地場所の地図が表示される。)

受け継いで行く中で内装や設備は変更されるけれど、建物の骨組みや外観は維持される事が多い。
古い建物を別荘として用いることは、心理的にも良い効果があるように思う。
都市部ではどんどん新しい建物が建てられていくのに対して、別荘では自分の子供の頃や昔住んでいた人たちを思い出して温かな気持ちになれるのではないだろうか。
また、昔の建物を維持して行く事は、スウェーデンの伝統的な建物を残していく上でも意味がある。

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