2011年3月8日火曜日

森の家から日常へ 1

我が家は12月半ばに、9月半ばから3ヶ月間借りていた郊外の家を引き払い、元のアパートに帰ってきた。(森の家での生活の始まりについて→リンク。)

郊外での暮らしを体験し、再び中心地域へ戻って来て、それぞれの暮らし方を見つめ直すことができた。


郊外にある森の中の家での暮らしは…。
家を借り始めた9月はまだ温かく、周囲の自然を満喫できて楽しかった。
10月には一気に冷え込み、外に出る機会が減ったため自然を楽しみにくくなった。
そして11月には雪が積もり、家は雪の中の閉ざされた。
日照時間も短くなり、通勤通学の朝も帰宅後も外は真っ暗で、自然を楽しむどころではない。それでも週末はサウナに入ったり森を眺めたりと、それなりに楽しかった。けれど平日は郊外で暮らす良さをほとんど感じられなかった


11月12月の森の家での暮らしが辛かった原因には、この家の作りの問題もある。

窓が東側に中心に採られていて冬には室内に陽が入りにくい。
小さな山の北斜面に建つため、南中高度の低い冬には増々日が当たりにくい。
岩場に建つため床が冷たい。(通常は、マットを敷いているが、子供が丸めてしまうので私たちの滞在中は撤去していた。)
さらに、室内の照明は間接照明かつ部分照明のために、部屋全体は常に薄暗い。
という状況だ。

また、この家は一台のエアコンと暖炉で全室を暖めており、室内気温は15℃程と寒い。(日本の室内と同じくらい。)
Umeåの郊外では、人口集中地域にあるような地域暖房網(リンク)が通っていないため、各家で暖をとらなければならない。一般的には、エアコンや、各家で温めた水を各部屋に巡らせる温水パイプが暖房として用いられている。

以上のような理由から、室内は決して快適ではなかった。


ところが、11月半ばに家の持ち主が旅行から戻ってきて、1ヶ月間の同居を始めると、生活は一気に快適になった。
まず、エアコンは外出時も就寝時も付けっぱなしで良い事が分かった。(彼女が戻ってくる前は、エアコンを外出時就寝時は切っていたため、室内を暖めてはまた冷やすという状態になっていて、室温が上がりにくかった。)

それでも室内はまだまだ寒く室内は暗いままだったが、彼女の、いやスウェーデン人の、寒くて暗い冬に対する様々な工夫を知り、感動した。

まず。
ウールで作られたタイツやインナーシャツ、セーター、ルームシューズを着用すること。
ウールは最高に暖かい。
以下の写真では、床に羊毛を敷いている。

次に。
ロウソクをたくさん用いて、電気の照明には出せない温かな素敵な雰囲気を作ること。
スウェーデンの暗い冬だからこそ味わえるこの雰囲気。

そして。
夏から初秋の間に採って保存していたベリーやキノコを用いて、森の恵みを食べること。
ベリーのケーキにきのこのスープ、肉料理にはベリ−のソース…。

北スウェーデンでは、冬の間、限られた種類かつ新鮮さを欠いた野菜しかスーパーに並ばない。こういう状況でも森の恵みが加わると、食生活がぐっと豊かになる。

コケモモ、ブルーベリー、ラズベリー、苺(これは畑より)など森で採ったベリーで、冷凍庫は一杯。

キノコは瓶にいれて乾燥。

彼女は森のすぐ傍に住んでいる上に森と食を特に愛しているが、熱心さに差はあれど、多くのスウェーデン人がこのように森の恵みを日々の中に取り入れている




夫が久しぶりに気を許して友人と飲んだ。大はしゃぎして大変だったけど、安心した。
絵の彼は2Fから飛び降りました。

2 件のコメント:

しろくま さんのコメント...

やはり北欧はインテリアが豊かなんだね。
北欧の人たちは
長くて厳しい冬を快適に暮らす術をもっているイメージ。

日本人が”北欧スタイル”に憧れるのは
どこかに「郷愁」があるのではないだろうか。

ろうそくの明かりとか、獣の皮の温もりとかに。

利便性とは対峙するものかもしれないけど、
日本のインテリアにも巧く取り入れられれば良いのにね。

園庭研究所 さんのコメント...

郷愁。
そうかも知れん。

北欧と日本、通ずる所が多くある。その中には、日本で今失われつつあるものがあり、日本人はそれらを求めて北欧に憧れるのかもね。

日本は高度経済成長期と急速な欧米化によって、それまで育んで来た暮らしの中の良い物が一気に失われたと思う。
かつて日本にあった良い物に目を向ける人は、これから増々増えていくと思う。北欧ブームはその一角なのかもね。
今の技術と合わせて行ければとても良い物が出来そうや。