2011年8月8日月曜日

企業と地域住民の連携 3

〜「企業と地域住民との連携1, 2」の続き〜

今回のチーズ講習会が開催されたOstenshus(ウステンスフス:Cheeze house)は、建物の作りが市民に開かれているやVästerbottenOst(ヴェステルボッテンチーズ)と関わっている点でとても興味深い。

写真は正面から見たOstenshus。
正面には全面ガラスブロック、側面背面には北スウェーデンに伝統的な赤茶色に塗った木材が使われている。(参照:赤い家



Ostenshusは成人の教育活動を支援する機関Studieförbundet Vuxenskolan(スチュディエフォーブンデット ブクセンスーラン:Study association of Adult school)が所有している。

Ostenshusには、Studieförbundet Vuxenskolanの職員のオフィスに加え、カフェや地域産物売場、貸し会議室、バーテーブル付き貸部屋、VästerbottenOstの博物館、チーズ作り体験室が併設されている。
カフェではVästerbottenOstを用いた軽食や昼食が提供されている。スウェーデンでは会社の研修や会議を外部のレストランや貸し会議室を利用する事も多いため、Ostenshusのような美味しい料理が出る貸し会議室は重宝がられるだろう。
2階からは渡り廊下を経てVästerbottenOstの工場へつながっていて、チーズの生産工程を見学することが出来る。
加えて、VästerbottenOstが工場のマネージャー室と工場職員の着替え室用に部屋を借りている。



一階玄関を入ってすぐにカフェ地域産物売場がある。
カフェでは編み物などの市民サークルや講座が開かれる

写真はカフェでのチーズ講習会の始まりの光景。


カフェの奥にはVästerbottenOstミュージアムがある。
ミュージアムの奥には舞台があり、コンサートやシアターとして市民に開かれている

写真手前がミュージアムでヴェステルボッテンチーズに関する展示があり、奥には舞台がある。ミュージアムの上部にせり出した半円型のものはStudieförbundet Vuxenskolanのオフィス。

ミュージアムは2階まで吹き抜けで、2階部分にはStudieförbundet Vuxenskolanのオフィスがせり出す形になっている。
このオフィスには壁が設けられておらず胸の高さ程の柵が付いているだけのため、ミュージアムから職員の働く様子がいつでも市民の目に触れるようになっている。
ミュージアムから階段を上がって工場の見学室に行く時にはこのオフィスを通り過ぎるようになっていて、ここでも仕事の様子を目に出来る。

写真は、工場の見学室に行く階段から見たStudieförbundet Vuxenskolanのオフィス。


地下にはチーズ作り体験室貸し会議室バーテーブル付き貸部屋がある。
貸し会議室からは庭に出る事ができる。会議の合間にデッキへ出て庭を眺めて一休憩、とは気が利いている。

写真は上からチーズ作り体験室、貸し会議室、バーテーブル付き貸部屋。






このように、地域産業であるチーズ工場を活かす機能と市民の活動を支える機能を両立させていて、それが建物の作りにも工夫されているOstenshusの在り方は、とても興味深い。

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