2011年10月26日水曜日

スウェーデンの園庭・校庭について発表

10月23日、野外教育学会で「スウェーデンの幼稚園庭と小学校庭の現状と自然系幼稚園への発展」というタイトルで、スウェーデンの園庭・校庭について発表をしてきました。


このブログをご覧になった方も感じられているでしょうが、スウェーデンの園庭・校庭は、運動のためだけでなく、”子供が一日を過ごす場所として計画されており良い環境となっています。
(参照:一般小学校庭1, 2, 3, 4 一般幼稚園庭1

そして、さらに自然を活かして創造性や居心地の良さを発展させた庭として、森のムッレ教育とシュタイナー教育の園庭・校庭があります。

このブログでも「森のムッレ教室」の教育プログラムの紹介が一段落したので、次に園庭の紹介に移っていこうと思います。
(参照:森の幼稚園1, 2, 3, 4, 5, 6 シュタイナー幼稚園(記事は室内中心)12, 3, 4, 5, 6


学会発表後、「こういった園庭・校庭が良い!」という声をたくさん頂きました。
と同時に、「日本でこうしたのびのびとした園庭・校庭教育は可能なのだろうか?」「自然遊びをすると、ケガや勉強の少なさを懸念する親が出てくる…」という課題も幼稚園や学校現場におられる方々から提示されました。

私はやはり、小学校中学年頃までは、遊ぶこと、そして自ら遊びを生み出し創造性を育んで行くことはとても大切な事だと思っています。
勉強は一生出来ます。
でも、泥んこになってがむしゃらに遊ぶ事は、この年齢にしか出来ません
こうして遊ぶ中で子供は、五感や創造力を育み、友人との関わり方を学ぶと思うのです。
また、屋外で土や木、生き物に囲まれて遊ぶ事は、自分が多くの生き物とともに生きている事を実感するためにも大切な事でしょう。


学会には自然に関する様々な教育をされている方々が集まられていました。
皆さん、自然が私たちの暮らしに結びつき楽しんで行けるよう、とても熱心に取組まれていました。
自然教育の良さを証明する事は、物理学や生物学などとは違い、より曖昧で心理的要素も絡んで来るため難しいです。
けれど、皆さんがひとつひとつコツコツと研究され、自然教育の重要性を示すデータが蓄積されて行っています

今日本は一時的に自然から遠のいた暮らしや考え方が主流になっているけれど、
このように熱心で自然の楽しさをめいっぱい感じられている方々が自然教育を各地で取組まれて行けば、きっと、日本全体の自然への考え方は底上げされ、自然と共生したより良い教育や生活環境へとつながっていくだろう
 と私は思っています。

2011年10月8日土曜日

森のムッレ教室 6 教育方針


ムッレ教室を取り入れた幼稚園保育園、小学校(スウェーデンにはムッレ教室の思想と方法を取り入れた小学校がある)では、次のような方針を持っている。



ここで言われている野外生活推進協会とは、カヌーからハイキングまで野外での活動の全てをまとめる組織で、リーダーやガイドの養成や野外生活を促進する活動を行っている。スウェーデンではかなり大きな組織で、都市計画や政策を監視する役目も担って来た。
この野外生活推進協会の子供部門に、5−6歳児用のムッレ教室や1−2歳児用のクノッペン教室、3−4歳児用のクニュータナ教室、小学校低学年用のストローバレ教室、小学校高学年用のフリールフサレ教室が属している。子供部門には他に、スキー教室とスケート教室がある。

日本でも、ムッレ教室と一連の教室をまとめる組織として日本野外生活推進協会という形が取られている


参照:
森のムッレ教室HP日本 本部)/(東京支部)/(新潟支部)/(Sweden)
HPを見る事が出来るのは以上の4つです。東京支部と新潟支部のHPには写真や活動が豊富に載せられています。
これらの場所以外でも日本中に森のムッレ教室のリーダーがおり、幼稚園保育園やボランティアで教室が開かれています。興味のある方は本部や上記の支部に連絡を取ってみて下さい。

森のムッレ教室についての本
ムッレ教室の哲学や理論に加え日本での活動が紹介された深い内容となっていて、本当におすすめの本です。特に、子供や自然、環境づくりに関わる方には是非読んでもらいたいです。