(以下の内容は、『幼児のための環境教育〜スウェーデンからの贈りもの「森のムッレ教室」』(岡部翠編 新評論 2007年)のp.62~79から抜粋したものです。出版社の了解を得てブログに掲載します。詳しい研究内容と結果・解説については、本をご覧下さい。)
スタータレンガン野外保育園の遊具はすべて自然の物なので後片付けをする必要がなく、遊んでいた物をそのまま翌日まで残しておける。
そして、同じ遊びを気の済むまでしたり、その遊びからさらに内容の深い遊びに発展させたりすることができる。
子供の想像次第で園庭が戦場になったり妖精や貞応の世界になったり、ショッピングセンターになったりする。
一方、レーテキャッテン保育園では、外で遊ぶ時間が短いため、仲間同士で役割を決めて何かを演じるといったファンタジーの中の物語をゆっくり発展させるだけの時間がない。
近隣の住民に配慮して庭を常に綺麗に保っておかねばならないために、時間内に遊びを終えて片付ける必要があり、遊びの種類も限られたものとなる。
グラーン博士はこの時の調査研究から、「遊ぶ環境が子供たちの想像力を高め、遊びの内容をより創造的なものにする」という結論を出している。
つまり、子供たちにとって遊び場そのものは格別に美しい必要はなく、そこでどんな遊びが出来るのかということが最も重要であり、“大人と子供のニーズの違い”を認識する必要がある。
また博士は、「多くの大人は、“子供であればどんな環境でも遊ぶ事ができる”という思い込みを持つ傾向があるため、子供たちが野外で遊ぶ事の重要性を認識していないのではないか」と指摘している。
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