2012年3月5日月曜日

Förskolan(就学前学校)のブログ上表記

このブログではこれまで、スウェーデンで小学校前の子供たちが通う学校 "Förskolan(フォースクーラン)"について、ブログを始めた当初は「保育園」、近年は「幼稚園」と表記してきました。

けれど、今一度説明をし、ブログ上での表記を定めたいと思います。


"Förskolan"(フォー スクーラン)は、活動内容としては日本の保育園に似ています。
けれど、1988年に就学前保育がそれまでの”保育のための場所”から”子どもが学ぶための場所”として見直され、学校教育体系の第一段階として位置づけられたため、組織としては日本の幼稚園に似ています。

スウェーデンではほとんどの親は働いているか大学などで学んでいるので、多くの子どもが1歳から1歳半の間に"Förskolan"などの就学前保育に通い始め、5−6歳まで通います。

"Förskolan"では、年齢の小さい間は保育を重視し、年齢が上がるとともに教育的要素を増やしていきます。

4−6歳児が受ける教育としては、アルファベットの読み書きや数字や簡単な足し算です。
ここでは、遊びや生活の中に文字や数字を組み込んでいく教育が中心です。
一日30分程のサムリング(集会)の時間には、「今日は何日?」「今日は何人登園している?」などを先生と子供たちがやりとりし、数字がかかれた小物を用いて表現します。
園庭や森などで、落ち葉や枝などを用いて数を数えたり足し算引き算の概念を学ぶこともあります。
また、我が子の通っていた園では、一日に1−3人ずつが先生と机に向かい、アルファベットを書く練習をしていました。

写真は、森の中で、子供が見つけた長い枝の長さを「子供何人分か」測っているところ。


スウェーデンでは小学校前の子供たちが通う教育施設としては"Förskolan"の他に、日本の保育ママのような"Daghem(ダーグ ヘム)"や児童館のような"öppen förskolan(ウッペン フォー スクーラン)"がある。

"öppen förskolan(ウッペン フォー スクーラン)"は、親が家庭で子どもを見ている場合に、親子一緒に訪れ、子どもの遊び場所としてや親の情報交換の場として用いる。
多くの子供が1−1.5歳の間に"Förskolan"に通い始めるため、この施設の利用者の大半は赤ちゃんのいる家族。
施設内には専門職員が常駐し、来ている子や親ひとりひとりに声をかけて回り、時には子育ての相談に乗る。活動内容としては、施設内のおもちゃで自由に遊んだり、食事をする。また一日に30分程は、皆で輪になって歌を歌ったりダンスをする。
(参照:父母子

"Daghem(ダーグ ヘム)"については、こちら。→保育ママ



また、6歳になった秋からは、小学校内に設けられた”1年生になる前のクラスとしての "Förskoleklass(フォースコーレクラス:以下、就学前6歳児クラスと表記)"に通うことが出来る。この就学前6歳児クラスでは、勉強や集団生活に慣れていくための活動をする。



こういった事情から日本では、"Förskolan(フォー スクーラン)"を”就学前学校”と表記されていることが多い

けれど、このブログでは、教育に携わっていない方々にも読んでイメージして頂きたいので、"Förskolan"を保育園として表記したいと思います。
また、ムッレ教育を取り入れた"Förskolan"については、これまで「ムッレ幼稚園」と書いてきましたが、今後は「野外保育園」と表記します。


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