2012年7月3日火曜日

お休みします

これまでこのブログを読んで下さったみなさま へ


しばらくブログをお休みします。


これまで、スウェーデンの環境や暮らしを中心に書いてきましたが、帰国しガーデンデザイナーの方の元で見習いをする中で庭づくりへの想いが高まり、今後自分がしていきたい仕事もぼんやりとですが見えてきました。

それは、保育園幼稚園の園庭や小学校の庭を子どもたちと一緒に創っていくことです。
(そしていつかは、みんなで地域の中のいろんな場所を創って行きたい。)



スウェーデンで子どもの屋外環境、中でも園庭校庭環境の良さを体験し、そこでのびやかに暮らす子どもたちの様子を見、私の中で子どもの環境について一本の軸が出来ました。
そして、このブログでも触れた 環境教育を取り入れた野外保育園や 子どもの創造を大切にしたシュタイナー学校の庭を体験し、園庭校庭が ”遊び”や”運動”だけでなく、”学び”と”創造”の場となることを知りました。
園庭校庭は子どもたちが ”暮らす”場であり、居心地の良さを考慮することの大切さにも気付かされました。
(ブログタイトル下にある「スウェーデン環境デザイン目次」をクリックして頂くと、「子どもの環境、学校環境」の中に今までの記事をまとめています。)


日本ではまだまだ、”園庭校庭は運動のための場所”という考え方が主流です。
園庭校庭での子どもたちの様子を見ていても、その創造性やのびやかさの違いは目に見えて分かります。
そして第一に、一日の中で一定の時間を過ごす園庭校庭が ここまで心地良さのない環境で良いのだろうか…そんな疑問が頭を掛け回ります。隅に生えた雑草まで抜かれてしまう整然とした校庭も、今や当たり前のようです。


この一年 庭づくりを学びながら、庭が人の心に深く入ってゆくこと、庭づくりの中には日本の文化や知恵が詰め込まれていることを実感してきました。
そして、心地良い庭には人が集い、会話が生まれること。

また、我が家で畑を作りながら、育てることと食がつながる楽しさを感じました。
庭や畑で様々な生き物がつながって生きている様子を目にしては、自分が地球の一部である事やこんなに様々な生き物を育む大地の豊かさを感じ、幸せな気持ちになりました。

羽根木プレーバーク(冒険遊び場)、『もうひとつの学校(新評論)』という昭和中期の子どもたちの遊びの風景を写した本との出会いは、環境と子どもの可能性を 改めて考えさせてくれました。
子どもたち自身が責任を持って自由に遊ぶ様は、私が想定していた以上に大胆で機知に富んでいました。身体と頭をめいっぱい動かして遊ぶ面白さ、難しい事に挑戦する時に感情を大きく揺れ動かして集中して向き合う様…。子どもの可能性がこんなにも大きいのか、環境しだいで子どもの可能性がこんなに引き出されるのかと、心が震えました。


庭には可能性が溢れています。
園や学校での生活がもっともっと豊かになるような庭を、子どもたちと一緒に創っていきたい。
子どもたちがのびのびと遊び、学び、創っていく庭。
地域の人が集い子どもたちを見守りながら、子どもたちと一緒に楽しんでゆけるような庭。

心を育み、人や地域とのつながりを育み、自然との関わりを育んでいける庭。


私は、この夏に今住んでいる場所を離れることになり、庭の師匠の元に毎日通うことは出来なくなります。
庭づくりの世界にほんの一足踏み入れただけの段階ですが、勉強を重ねながら今の自分に出来ることから始めて行こうと思います。



ブログは私にとって、日々の中で環境づくりを意識して考えさせてくれる大切な道具です。そして、より良い環境づくりを願いながら社会へメッセージを発するためのパートナーです。
ブログはこれから先もずっと続けていきたいと思います。

ただ、仕事として環境づくりを考え始めた今、これまでのブログの書き方に行き詰まりを感じています。

現在、園庭校庭づくり・子どもが主体の庭づくりのHPを作っており、ブログもそちらの方で書いていく予定です。
HPが出来ましたらこのブログでお知らせしますので、ひき続きご覧頂ければ幸いです。


最後に。
これまで、このブログを見に来て頂き、本当にありがとうございました。
大好きな環境設計の仕事から離れてスウェーデンに行き、言葉も分からず、その分野の人とのつながりも無くてもどかしい思いだった中、このブログでスウェーデンの環境について書いて来れたからこそ、心を保って来れました。
そして、ブログを見に来て下さる皆様がいて下さったからこそ、ここまで続けて来れました。
心から感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
石田佳織